工業都市川崎をめぐる
神奈川県川崎市は多摩川をまたいで東京都との県境を持つ都市です。
関東圏の重要な水源である多摩川とそれを取り囲む多摩丘陵が大きな地形的特徴となっており、川沿いを中心とした平坦な土地に多くの街が存在しています。
河川を利用した産業として工業が多く発展しており、現在でも有数の巨大工業地域を持つ場所としても有名になっています。
川崎市は神奈川県東部に位置する横に長い形状をしていることから、地域によりかなり街の様子は異なります。
最も川崎らしい工業地域が密集しているのは湾岸地域ですが、内陸に進むにつれて都内へのベッドタウンとしての住宅地が増えてゆき、さらに内陸に入ることでのどかな田園風景を見ることができます。
中心地である湾岸部は横浜の中心地にも近いことからかなり都市として発達しているのに対し、内陸では自然が豊かに存在するというギャップも大きな特徴となっています。
川崎という地名の歴史は非常に古く、日本書紀にもその名称が記載されています。
古来より人の住む土地として知られてきましたが、歴史の表舞台に登場してくるのは大正期に入ってからで当時軍需工業として巨大な金属機器や化学製品を作る工場ができたことにより一躍全国的に有名になりました。
現在でも京浜工業地帯の石油コンビナートとして機能しており、関東圏のみならず日本経済に大きな役割をしています。
湾岸沿いにある日本最大の石油会社「JXエネルギー」の川崎製造所は工場マニアたちにとっての観光名所になっており、主に夜間の夜景を眺めるために多くの人が訪れています。
日本厄除け三大師である川崎大師
画像引用元:川崎大師公式HP
川崎市に数多くある寺社の中でも特に知名度が高いのが「日本厄除け三大師(関東三大師)」の一つである「川崎大師」です。
日本厄除け三大師とは川崎大師の他、西新井大師(東京都)、観福寺(千葉県)のことで弘法大師(空海)を祀ったところとして設置されています。
この3つをめぐることを「御朱印巡り」と言いますが、川崎に来たならまずはこの川崎大師に行くことで厄除けをしておきたいところです。
川崎大師は真言宗智山派の大本山の寺となっており、正確には「金剛山金乗院平間寺」といいます。
通称として「厄除けのお大師さま」や「厄除け弘法大師」といったふうにも呼ばれることもありますがいずれも同じ場所のことです。
川崎大師は開創から880年が経過しており、以来参拝だけでなくお護摩やお護摩札の販売など多くの参拝者を受け付けています。
厄除けの中でもお護摩を受けるのが最も効果があるとされており、希望をされる方は大本堂にある「お護摩受付所」から申し込みをすることができます。
お護摩札と合わせてお護摩札立ても配布されているのでそちらも合わせて購入しておくことがおすすめです。
川崎には川崎大師の他にも「京浜伏見稲荷神社」という教徒伏見稲荷大社を勧請して作られた神社があります。
関東圏でも由緒正しい寺社の集まる場所なので、一日お寺・神社巡りというのも観光コースとして有名です。
駅前の商業施設も個性的
川崎は神奈川県内第二の繁華街ということもあり、駅前には個性的な商業施設が集まっています。
中でも人気が高いのが「ラ・チッタデッラ」で、川崎駅地下街アゼリアから出たところに存在している施設です。
こちらはイタリアなど南欧の雰囲気をモチーフにしており、商店街でありながら他の場所とは明らかに違った不思議な雰囲気を醸しだしています。
敷地内には飲食店のほか、シネマコンプレックスやライブホール、各種ショップなど数多くの商業施設がおかれており、のんびりとウィンドウショッピングをしながら時間をつぶすことができます。